発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012314035
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症例1は60歳女で、感冒症状で前医を受診した際に、胸部異常陰影を指摘された。症例2は41歳男で、健診で胸部異常陰影を指摘された。2例ともPET-CTで胸腔内より左第6肋間を貫通し、脂肪濃度を呈する腫瘤を認めた。同部位へのFDGの異常集積は僅かであった。MRIで腫瘤はT1、T2強調像ともに高信号を示し、Gd造影像に造影効果は僅かであった。症例1は術中の肉眼所見で腫瘍の肋間筋浸潤が疑われたため、胸壁腫瘍摘出と腫瘍に接する第6、7肋骨合併切除を行った。病理診断は胸壁型脂肪腫であった。術後5年の現在、再発を認めていない。症例2は術中の肉眼所見で腫瘤が被膜に覆われ周囲組織へ浸潤していないと判断し、開胸することなく腫瘍と腫瘍に接する肋間筋・骨膜の摘出のみを実施した。術中病理診断で脂肪腫と診断されたため、胸壁合併切除は実施しなかった。病理診断は胸壁型脂肪腫であった。術後1年の現在、再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012