特集 形成外科「番外」症例集
前頸部に先天性の紐状突起物を認めた1例
林 雅裕
1
,
谷川 昭子
,
山崎 究
,
村上 莉沙
1公立昭和病院 形成外科
キーワード:
頸筋
,
頸部
,
筋骨格系奇形
Keyword:
Musculoskeletal Abnormalities
,
Neck
,
Neck Muscles
pp.1113-1115
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021002347
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3歳女児。頸部紐状突起物を主訴とした。在胎28週5日で出生した極低出生体重児で、脳室周囲白質軟化症とその合併症を認めるも脊椎形成不全などの合併は認めなかった。生下時より認める突起物の摘出目的で来院し、初診時には右頸部胸鎖乳突筋前縁を茎として弾性軟で伸展性を有する柔らかい構造物(長さ6cm)を認めた。全身麻酔下に茎部周囲を横切開して摘出した際には、根部に軟骨や明らかな索状物はみられず、術後の創の経過は順調であった。病理組織学的所見では表皮の過形成と真皮膠原線維の増生、皮下の疎な脂肪組織と神経組織を構造の芯としている所見がみられたが、線維芽細胞や骨、軟骨および筋組織は含まれなかった。本症例の紐状突起物はpseudo tailや真性人尾などの前頸部に発生する従来の疾患範疇に当てはまらず、疾患分類が不能であった。
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