特集 形成外科「番外」症例集
妊娠・出産後腹直筋離開症の1例
矢野 舞
1
,
松末 武雄
,
吉見 育馬
1関西電力病院 形成再建外科
キーワード:
産褥障害
,
鑑別診断
,
縫合法
,
腹直筋
,
筋離開
,
筋ヘルニア
,
腹部CT
Keyword:
Diastasis, Muscle
,
Suture Techniques
,
Puerperal Disorders
,
Diagnosis, Differential
pp.1108-1112
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021002346
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35歳女。産後の腹部膨隆、皮膚弛緩を主訴とした。前医消化器外科でヘルニア治療に準じたメッシュ治療を提案されたが、他の治療法に関する説明を希望して紹介受診した。腹部CT所見では61mm開大の腹直筋離開症を認めたが、正中の筋膜は保たれてヘルニア形成は認めず、当院消化器外科では手術の積極的な適応とはならないと判断された。患者が余剰皮膚に対する治療を強く希望したため、当院形成再建外科にて腹直筋前鞘前方からのアプローチで下腹部横切開を施行し、腹直筋前鞘の縫縮と余剰皮膚の切除を行った。術後6ヵ月経過時点で再発は認めず、やや目立つ瘢痕が残るも患者は満足し経過観察中である。
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