発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011055696
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4歳女児。患者は生後3ヵ月時に両親が体幹変形に気づき近医を受診し、生後10ヵ月に他院にて先天性側彎症と診断された。3歳時より後側彎変形が増悪し、アンダーアームブレースによる装具療法が開始されたが、その後も脊柱変形が進行したため、著者らの施設へ紹介となった。単純X線正面像ではTh12に奇形椎、Th11~L1に37°の側彎変形がみられ、側面像では同レベルに82°の後彎変形が認められた。また、3-D CTではTh12の奇形椎は前方・後方要素が一致する蝶形椎であった。以上、これらの所見より、後方からの単独アプローチで奇形椎の摘出と上下位2椎体の椎弓根スクリューによるアンカーを用いた変形の矯正を試みたところ、初回手術後9ヵ月時に上位インストゥルメントの後方への逸脱を認め、骨切り部での偽関節と診断、術後10ヵ月経過で前後方矯正固定術が施行された。その結果、再手術後9ヵ月現在、インストゥルメントの逸脱・矯正損失は認めず、経過は良好である。
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