特集 形成外科「番外」症例集
人工物露出創で人工物を除去せずに創閉鎖に至った1例
前田 奈々恵
1
,
北山 晋也
,
篠木 美穂
,
前川 二郎
1横浜市立大学 医学部形成外科
キーワード:
X線診断
,
骨腫瘍
,
内固定法
,
骨プレート
,
手術創離開
,
デブリードマン
,
腸骨
,
皮膚移植
,
人工器官機能不全
,
創閉鎖法
Keyword:
Bone Neoplasms
,
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Surgical Wound Dehiscence
,
Skin Transplantation
,
Ilium
,
Prosthesis Failure
,
Radiography
,
Debridement
,
Wound Closure Techniques
pp.1116-1121
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021002348
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78歳男。左腸骨腫瘍術後創離開を主訴とした。左腸骨の悪性腫瘍(多分化多形肉腫)切除術後7日に縫合部の壊死と離開を認め、デブリードマンにより再建に使用したプレートが露出した。紹介受診時には皮膚、皮下脂肪、筋肉の壊死と10cm弱のポケット形成、戻した腸骨とプレートの露出を認めたが、創部培養は陰性であり、デブリードマン後は骨盤安定性のために残した遊離骨とブリッジ3本が露出した。3本のブリッジが重なる立体的な死腔の表層を筋層で覆い、やや粗めに縫合した上で清潔操作下に局所陰圧閉鎖療法(NPWT)を行い、分層植皮術後もNPWTを1週間継続した結果、十分な死腔充填ができていなかったにもかかわらず創閉鎖が得られ、術後6年経過現在も明らかな感染徴候なく経過している。
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