特集 産婦人科医が知っておくべき新生児マススクリーニング
各論
2.有機酸代謝異常症
渡邊 順子
1,2
Y. Watanabe
1,2
1久留米大学質量分析医学応用研究施設
2同 小児科学講座
pp.677-681
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003011
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新生児マススクリーニングで診断される有機酸血症として,現在7種類の疾患が対象となっている。いずれの疾患もそれぞれの前駆アミノ酸を代謝する過程に異常があり,有害な有機酸の蓄積,およびエネルギー産生障害の2つの病態に基づく症状を呈する。哺乳開始後のたんぱく負荷を契機に新生児期に発症する症例も多く,スクリーニングの結果が判明する前に救急搬送を必要とする重篤な症例もしばしば経験する。哺乳不良,活気低下,多呼吸や無呼吸,低血糖,筋緊張低下といった非特異的な症状で発症するため,これらの症状を認める際には有機酸血症も鑑別疾患に挙げ,速やかな治療介入が必要となる。
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