特集 妊娠に影響する感染症の最新知識
9.HPV
黒田 高史
1
,
矢内原 臨
1
,
岡本 愛光
1
T. Kuroda
1
,
N. Yanaihara
1
,
A. Okamoto
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科学講座
pp.703-708
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002613
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
子宮頸がんの約70%は,ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因である。妊娠初期検査として行われる子宮頸部細胞診は子宮頸がんの発見の契機になっている。妊娠中の子宮頸部細胞診異常や初期子宮頸がんは慎重な管理が必要である。近年,母体の子宮頸がんが羊水を介して児に肺がんを発症した母子間転移の2例が報告された。2022年4月にHPVワクチン積極的勧奨が再開となっており,キャッチアップ接種の啓蒙も行われている。本稿では,妊娠中の子宮頸部細胞診異常・子宮頸がんの管理,母子間転移症例,HPVワクチンについて解説する。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.