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特集 ワクチン
HPV
HPV
徳丸 裕
1
Yutaka Tokumaru
1
1国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科
pp.97-101
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102060
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Ⅰ HPVとは
ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)は,ヒトの皮膚や粘膜などに存在する,ごくありふれたウイルスである。大きさは約50nmで,正二十面体構造のキャプシド構造内に二本鎖環状DNAをゲノムとしてもっている。現在,120種類以上の型が知られているが,低リスク群と高リスク群に分類される。低リスク群には6,11,42,43,44型などが属し,疣や尖圭コンジローマの発生に関連し,一方,高リスク群には16,18,31,33,35型などが含まれ,その持続感染は子宮頸癌などの悪性腫瘍の原因になるとされている1)。世界的にみて子宮頸癌患者からは16,18型が高率に検出されているが,わが国においては16,18型は約60%程度であり,その他の52,58,33型も比較的高率に検出されている2)。
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