特集 妊娠に影響する感染症の最新知識
5.早産原因としての感染
米田 哲
1
S. Yoneda
1
1富山大学産科婦人科
pp.679-682
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002608
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子宮内感染は自然早産の主たる原因として認識されているが,特に早期の早産であるほど,その頻度が高いという臨床的特徴がある。また,ウレアプラズマ/マイコプラズマ(Ureaplasma/Mycoplasma)と細菌の重複感染では,高度の子宮内炎症を惹起しやすく,超早産と関連が深いとされる。これら病原微生物の子宮内への侵入は,腟,頸管,子宮内へと上行性ルートがほとんどであると考えられており,細菌性腟症の段階で治療すれば,容易に自然早産が減るのではないかと予測されるが,現時点でそのエビデンスはない。腟内のウレアプラズマ/マイコプラズマの存在は自然早産のリスク因子とする報告も散見されており,今後はその評価方法と治療法の確立が自然早産を予防するという観点からは重要なのかもしれない。
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