臨床研修セミナー 早産
感染と早産
寺尾 俊彦
1
Toshihiko Terao
1
1浜松医科大学産婦人科
pp.1084-1087
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208110
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
①感染を合併した切迫早産はβ2刺激剤投与による子宮収縮抑制は不可能で,そのまま早産に至る,②感染を合併した切迫早産は前期破水(PROM)になり易い,③プロスタグランディン腟坐薬を用いた妊娠中期中絶において発熱を伴う症例程薬剤挿入開始から胎児娩出までの時間が短いなど感染や発熱と早産の進行との間に明らかに因果関係がある。従って早産の進行を防止するためには感染の防止が必須である。また早産の進行を防止できず分娩に至った場合には新生児感染症も問題となる。早産では未熟児出生の可能性が大であるが故に感染は児にとって大きなリスクとなる。
以下,このような視点で感染と早産の関係について論じたい。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.