特集 エビデンスと経験が紡ぐ未来の産科診療―科学的探究がもたらす新たな視点
5.切迫早産の診断と管理1
米田 哲
1
S. Yoneda
1
1富山大学産科婦人科(准教授)
pp.365-369
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003358
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欧米におけるpreterm laborは,分娩進行を伴い自然早産は避けられない病態であるのに対して,わが国の切迫早産は,必ずしも分娩進行を伴っているわけではなく,診断基準が異なっていることを十分に理解する。当科では,持続点滴静注によるtocolysis治療を行っても子宮収縮の抑制が不十分な場合には,母体にステロイドを投与し,数日以内の早産としている。一方,tocolysisにより子宮収縮の抑制が可能な切迫早産に対しては,羊水中病原微生物および炎症を評価し(妊娠30週未満),適切な抗菌薬や黄体ホルモンを投与する病態別治療戦略にて妊娠期間の延長に努めている。
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