臨床メモ
習慣流早産の原因と治療
竹内 久弥
1
1順天堂大学産婦人科
pp.756
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204878
- 有料閲覧
- 文献概要
習慣流早産の原因については,申すまでもなく数多くのものが挙げられてはいるが,日常診療において系統的な検策をどの程度行なうべきか,その結果にもとづく治療効果はどれほど期待できるものかが問題であろう。
実験的ないし研究的な検討は別として,比較的日常診療レベルにあると思われるフインランドのJärvinenand Kokkonen (Int.J.Fertil.17,81,1972)の報告を紹介する。彼らは習流の既往のある37組の夫婦(計108回の流早産に対し,わずか12人の生児を持つに過ぎない)に次の項目の検査を行なつた。①感染因子:リステリア抗体価,トキソプラスマ抗体価,サイトメガロウイルス抗体価,風疹抗体価。②解剖学的因子:子宮発育不全,子宮奇形,頸管不全。③遺伝因子:染色体,精子奇形。④内分泌因子:黄体機能不全。⑤その他母体疾患:心疾患,膠原病,尿路感染症など。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.