今月の臨床 高年妊娠-母児ケアのポイント
リスクへの対応とケアのポイント
7.早産
米田 哲
1
,
酒井 正利
2
,
斎藤 滋
2
1厚生連糸魚川総合病院産婦人科
2富山大学産科婦人科
pp.50-53
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100709
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はじめに
一般的に加齢は早産のリスク因子といわれているが,実は加齢と早産との直接的な因果関係は証明されていない.この理由としては,加齢に伴う合併症の頻度の上昇が間接的に早産率を上昇させていることが考えられる1~3).すなわち,医学的適応による早産が高年妊娠例に多く含まれるということになる.
近年においては女性が社会進出することによる晩婚化,出産の高年齢化,さらには生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)の普及による妊娠機会の拡大など,高年妊娠を管理する頻度も増加している.また,高年齢になると高血圧,糖尿病などの羅病率も高くなる.したがって,高年初産妊娠においては必然的にハイリスク妊娠となりやすく,リスクへの十分な理解と適切な対応が要求される.
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