症例
ペグフィルグラスチムによる大動脈炎をきたした1例
菖野 悠里子
1
,
西野 幸治
1
,
谷地田 希
1
,
齋藤 宏美
1
,
工藤 梨沙
1
,
磯部 真倫
1
,
西川 伸道
1
,
関根 正幸
1
,
榎本 隆之
1
Y. Shono
1
,
K. Nishino
1
,
N. Yachida
1
,
H. Saito
1
,
R. Kudo
1
,
M. Isobe
1
,
N. Nishikawa
1
,
M. Sekine
1
,
T. Enomoto
1
1新潟大学医歯学総合病院産婦人科
pp.639-644
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002590
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症例は73歳女性。子宮体癌Ⅱ期に対してTC療法を実施中にGrade 4の好中球減少を認め,次サイクルにペグフィルグラスチムの予防投与を行ったところ,TC療法day 13(ペグフィルグラスチム投与11日目)に発熱・炎症反応の上昇を認めた。FN(febrile neutropenia)を疑い抗菌薬投与を開始するも改善がみられず,原因精査のために行ったCT/MRIにて上行大動脈~下行大動脈の壁肥厚と周囲の脂肪織濃度を認め,G-CSF製剤による大動脈炎と診断した。ステロイド投与も検討したが,本例においては抗菌薬中止・経過観察のみで大動脈炎は軽快した。G-CSF製剤使用時に,抗菌薬不応性の不明熱と炎症反応の上昇を認めた際には,鑑別診断として大型血管炎に留意する必要がある。
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