特集 ワクチンの安全性と社会学—HPVワクチンの接種はなぜ広まらないのか?—
Ⅱ.HPVワクチンについて
1.HPVワクチンの有効性
-—最近の動向—
関根 正幸
1
,
工藤 梨沙
1
,
山口 真奈子
1
,
安達 聡介
1
,
黒澤 めぐみ
1
,
榎本 隆之
1
M. Sekine
1
,
R. Kudo
1
,
M. Yamaguchi
1
,
S. Adachi
1
,
M. Kurosawa
1
,
T. Enomoto
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科産科婦人科学教室
pp.285-291
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001658
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
HPVワクチンの積極的勧奨が中止されて8年が経過しようとしている。HPVワクチン接種者が検診年齢である20歳に到達したことで,HPV感染率の低下だけでなく,細胞診異常と組織診異常の低下も報告されてきている。NIIGATA STUDYではHPV16/18型感染に対する高い有効性に加え,HPV31/45/52型に対する交叉防御効果が示され,厚生労働科学研究費補助金 上田班とAMED榎本班のJ Studyでは,それぞれCIN3以上の減少効果,CIN2以上の減少効果が示された。海外では,スウェーデンから世界で初めて浸潤子宮頸癌の減少効果が報告され,わが国でも浸潤癌に対するデータの検証が待たれている。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.