症例
深部静脈血栓症の治療中にヘパリン起因性血小板減少症を合併し,アルガトロバンを導入して妊娠・分娩を完遂した1例
廣瀬 奈津子
1
,
東元 孔志
1
,
大塚 裕一郎
1
,
大神 靖也
1
,
井ノ又 裕介
1
,
弓削乃 利人
1
,
穴見 愛
1
N. Hirose
1
,
K. Higashimoto
1
,
Y. Ohtsuka
1
,
S. Oga
1
,
Y. Inomata
1
,
N. Yuge
1
,
A. Anami
1
1別府医療センター産婦人科
pp.209-215
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002473
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妊娠中の抗凝固療法はその管理に難渋することが多いとされている。抗凝固療法として未分画ヘパリン投与が基本であるが,その副作用として,ヘパリン起因性小板減少症(HIT)がある。HITは非免疫性機序のⅠ型と免疫性機序のⅡ型に分類されるが,日常診療ではⅡ型を意味し,ヘパリン投与によりHIT抗体が産生され,過凝固状態となり血栓が多発し,全身の動静脈血栓症と消費による血小板減少を引き起こす1)2)。適切な治療を行われなければ致死的な病態に至ることもあるため,早期診断・早期治療が非常に重要となる。
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