特集 血栓・止血の異常を理解する―広くて深い基礎知識
[Chapter 2] 血栓・止血に関連する疾患
B.血小板が減少する血栓性疾患
ヘパリン起因性血小板減少症
安本 篤史
1
1北海道大学病院 検査・輸血部
キーワード:
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
,
抗凝固薬
,
免疫学的測定法
,
機能的測定法
Keyword:
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
,
抗凝固薬
,
免疫学的測定法
,
機能的測定法
pp.762-765
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_762
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▪ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)は,抗凝固薬のヘパリンを投与して,逆説的な病態である血栓症と血小板減少を引き起こす疾患である.
▪HITでは血小板減少が先行することが多く,血小板数でモニタリングすることが推奨されている.
▪HITの診断は,臨床診断として4Tsスコア,臨床検査としてHIT抗体検査を組み合わせて行う.ただし,偽陽性が多く,確定診断には機能的測定法を行う.
▪HITの治療としては,ヘパリンの中止とヘパリン以外の抗凝固薬の投与を速やかに行う.
▪HIT抗体は一過性であり,HIT抗体の消失後はヘパリンの再投与が可能である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023