Japanese
English
症例報告
ヘパリン起因性血小板減少症に合併した下腿潰瘍の1例
A case of lower leg ulcers with heparin-induced thrombocytopenia
岩﨑 純也
1
,
武藤 潤
1
,
青木 繁
1
,
藤本 典宏
1
,
小林 孝志
1
,
多島 新吾
1
,
山本 浩仁郎
2
,
熊谷 裕生
2
Junya IWASAKI
1
,
Jun MUTO
1
,
Shigeru AOKI
1
,
Norihiro FUJIMOTO
1
,
Takashi KOBAYASHI
1
,
Shingo TAJIMA
1
,
Koujiro YAMAMOTO
2
,
Yusei KUMAGAI
2
1防衛医科大学校皮膚科学
2防衛医科大学校腎臓内科
1Department of Dermatology,National Defense Medical College,Tokorozawa,Japan
2Department of Nephrology,National Defense Medical College Tokorozawa,Japan
キーワード:
へパリン起因性血小板減少症
,
下腿潰瘍
Keyword:
へパリン起因性血小板減少症
,
下腿潰瘍
pp.194-197
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102222
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要約 42歳,女性.既往として多発性囊胞腎がある.2007年7月上旬,慢性腎不全が急速に悪化したため,右大腿静脈よりUKカテーテルを挿入し血液透析を開始した.経過中,両総腸骨静脈および下大静脈の閉塞・狭細化を認めた.カテーテルを抜去し,末梢よりヘパリンの持続点滴静注を開始したが,両総腸骨静脈および下大静脈の閉塞は改善しなかった.経過からヘパリン起因性血小板減少症を疑い,抗ヘパリン-PF4複合体抗体を測定したところ,陽性だった.末梢点滴ルートとして使用していた両側下腿の点滴刺入部は,抜針後徐々に潰瘍化したが,デブリードマンとスルファジアジン銀外用にてほぼ上皮化した.日常広く使用されているへパリンの副作用として,出血傾向ではなく,ヘパリン起因性血小板減少症の存在を知ることは重要である.
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