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綜説
ヘパリン起因性血小板減少症について
Recognition and Treatment of Heparin-induced Thrombocytopenia
佐瀬 一洋
1
Kazuhiro Sase
1
1国立循環器病センター心臓血管内科・臨床試験開発室
1Division of Cardiology, Department of Medicine, National Cardiovascular Center
pp.729-737
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100583
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背景
ヘパリン起因性血小板減少症(Heparin-induced thrombocytopenia;HIT)は,出血に次いで多いヘパリンの副作用で,致死性の動静脈血栓塞栓症(HIT-associated thrombosis;HITTS)を高率に合併することから,世界的に認識を高める必要が指摘されている1~4).
近年,HITの病態として,免疫学的機序による凝固能亢進と血小板減少が基本にあることが明らかになった.血小板第4因子(PF4)は,血小板のα顆粒から放出されてヘパリンと結合する.いわゆるHIT抗体は,PF4-ヘパリン複合体をエピトープとして認識し,血小板や血管内皮の活性化を介してトロンビン過剰産生や組織因子(TF)発現を引き起こす5~7).
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