特集 絨毛性疾患の最新トピックス
胞状奇胎のトピックス
4.胞状奇胎の病理診断の最新知見
福永 眞治
1
M. Fukunaga
1
1新百合ヶ丘総合病院病理診断科(部長)
pp.125-130
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002456
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胞状奇胎は絨毛でのトロホブラストの異常増殖と間質の浮腫を特徴とする絨毛性疾患である。その成因は父方の過剰な遺伝子の存在である。全胞状奇胎,部分胞状奇胎,侵入奇胎に分類され,特に妊娠週齢12週以下の早期全胞状奇胎の正確な診断が肝要である。また胎児共存奇胎,モザイク全胞状奇胎,早期の間葉性異形成胎盤は臨床的に部分奇胎との鑑別を必要で,病理組織学的に複雑な像を示し診断に難渋する。組織像を基軸として,p57免疫染色,DNA多型解析などを必要とすることが多い。
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