特集 絨毛性疾患の最新トピックス
胞状奇胎のトピックス
3.hCG測定の留意点と低単位hCG持続症例の取り扱い
新美 薫
1
,
山本 英子
2
K. Niimi
1
,
E. Yamamoto
2
1名古屋大学産婦人科
2名古屋大学医療行政学
pp.121-124
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002455
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絨毛性疾患においてhCGは診断,治療において重要な腫瘍マーカーである。病変が特定できなくてもhCGが検出されれば,存続絨毛症の奇胎後hCG存続症として化学療法を開始する,また治療後に画像上肺転移が遺残していてもhCGがカットオフ値以下であれば摘出は必要ないなど,病変の有無よりもhCG値が優先されて診療が行われている。さらに,hCG値の測定においてゼロ値はないことから,絨毛性腫瘍の治療では,カットオフ値以下となってからも追加の化学療法を要する。この非常に鋭敏なhCGという腫瘍マーカーをもつ点が,絨毛性疾患と一般的な固形腫瘍との大きく異なる部分である。したがって,hCG測定とその値の評価は極めて重要であり,少しでもhCGが検出されるのであれば,その意味を考えなくてはならない。本稿では,絨毛性疾患におけるhCG測定において留意すべきことと,低単位hCG持続症例の取り扱いについて解説した。
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