特集 絨毛性疾患の最新トピックス
胞状奇胎のトピックス
2.胞状奇胎の取り扱い
前之原 章司
1
,
加藤 聖子
1
S. Maenohara
1
,
K. Kato
1
1九州大学生殖病態生理学分野
pp.115-119
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002454
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胞状奇胎は絨毛の水腫状腫大を認める異常妊娠であり,全胞状奇胎と部分胞状奇胎に分けられる。近年は典型的な所見を呈する以前の妊娠早期に胞状奇胎の診断が可能となったが,一方で全胞状奇胎と部分胞状奇胎,妊娠早期の水腫様流産の鑑別が難しい症例も存在する。そのような場合は免疫組織化学染色やDNA多型解析が有用である。また,胞状奇胎の治療についてはこれまで奇胎娩出後の再搔把が行われてきたが,症例により省略することも検討されている。奇胎娩出後は『絨毛性疾患取扱い規約 第3版』に従ってhCGを測定し一次管理,二次管理を行い,続発する絨毛性疾患の有無を慎重に経過観察する必要がある。
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