特集 絨毛性疾患の最新トピックス
疫学のトピックス
1.絨毛性疾患の発生動向の最新知見
山本 英子
1
,
新美 薫
2
,
西野 公博
1
,
井箟 一彦
3
E. Yamamoto
1
,
K. Niimi
2
,
K. Nishino
1
,
K. Ino
3
1名古屋大学大学院医学系研究科医療行政学
2名古屋大学医学部附属病院産婦人科
3和歌山県立医科大学産婦人科
pp.109-114
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002453
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1974年から始まった絨毛性疾患地域登録は現在,22地域(道県)のすべての産科・産婦人科施設が登録している。胞状奇胎の発生率(出生1,000あたり)は約3.0から1.02まで低下,2008年から上昇し2020年には1.74であった。絨毛性腫瘍の発生率は,出生10万あたり約40から徐々に13まで低下し,2010年より上昇し2020年には20.8であった。PSTTとETTの発生率は出生10万あたり0.3と0.06であった。2016年から始まった全国の婦人科腫瘍登録施設による腫瘍登録では,絨毛性腫瘍の登録数および発生率のいずれも地域登録データから予想される値よりも低いことが明らかとなった。絨毛癌や転移症例の治療は,22地域の地域登録施設がより多くを担っている可能性が示唆された。
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