症例
妊娠23週の不明熱から確定診断に26日間を要した成人スチル病の1例
奥井 陽介
1
,
小島原 敬信
1
,
手塚 尚広
1
Y. Okui
1
,
T. Kojimahara
1
,
N. Tezuka
1
1公立置賜総合病院産婦人科
pp.901-906
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002245
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妊娠中に発熱をきたす疾患の鑑別には感染症や膠原病,悪性腫瘍などが挙がる。成人スチル病(ASD)は発熱を三大症状の1つとし,妊娠中に発症することがある。今回われわれは,妊娠23週に発症したASDの1例を経験した。Yamaguchiらの基準を用いて確定診断までに26日間を要したが,プレドニゾロンが著効した。プレドニゾロンを漸減するも再燃せず,妊娠経過に異常を認めず妊娠38週,健児を得た。ASDの診断には時間を要することが多いが,早期診断による予後の改善が示唆されている。正確かつ迅速な診断が求められており,さらなる症例の集積と解析が待たれる。
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