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分子標的治療薬がもつ卵巣毒性に関する基礎的検証
髙江 正道
1
,
鈴木 直
1
S. Takae
1
,
N. Suzuki
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学
pp.527-532
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002148
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分子標的治療薬の出現により,がん治療は大きく変革された。なかでも,イマチニブに代表されるチロシンキナーゼ阻害薬の出現は慢性骨髄性白血病の治療を格段に進歩させ,重篤な副作用を抑えつつ治療効果を発揮するという点で極めて画期的であり,後の分子標的治療薬の開発を促進させた。現在,多数の分子標的治療薬が存在するが,その多くで妊孕性への影響は明確になっていない。本稿では,チロシンキナーゼ阻害薬に加え,ベバシズマブ,mTOR阻害薬,EGFR阻害薬のほか,近年適応が拡大しつつあるPARP阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬にも焦点を当て,限定的ではあるものの,それらが妊孕性に与える影響について概説する。
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