特集 不妊・不育症女性の合併症・併存疾患をどう扱う?
12.悪性腫瘍(婦人科腫瘍以外)
髙江 正道
1
,
鈴木 直
1
S. Takae
1
,
N. Suzuki
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学
pp.1653-1660
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001575
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近年,がん治療成績の向上とともに妊孕性温存療法を検討する機会が増えつつある。女性の妊孕性温存を検討する場合,がん治療の種類や投与予定の薬剤量から適応を判断する。さらに,原疾患のほか妊孕性温存のための猶予期間,全身状態などから実施可能な妊孕性温存療法を決定する。女性の妊孕性温存療法には胚・卵子・卵巣組織凍結があり,それぞれの特徴を患者にわかりやすく説明し,スムースな意思決定へつなげる必要性がある。また,意思決定の際に生ずる心理的なストレスにも対応する必要があり,多職種連携が必須である。今後,地域におけるがん治療施設と生殖医療施設の連携,スムースな受療体制の確立が急務である。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.