特集 専攻医のうちにマスターしたい産婦人科の外来・短期滞在手術
産科
2.産道裂傷
宮内 彰人
1
A. Miyauchi
1
1日本赤十字社医療センター産婦人科
pp.353-357
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002106
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産道裂傷への対応は,裂傷部位の正確な診断と縫合が原則である。頸管裂傷への対応では特に,術野の確保,最深部断裂血管の確実な縫合,さらに,裂傷が腟円蓋に及ぶ場合は子宮破裂を見逃さないことが重要である。分娩後に腟・会陰,肛門周囲の激しい疼痛がある場合は,血腫を疑い,造影CTなどの検査を行う。腟壁血腫の出血部位同定や縫合止血が難しい場合は,ドレーン留置,ガーゼ圧迫止血処置を行う。外科的処置で止血が得られない場合や後腹膜血腫に進展した場合は,動脈塞栓術(TAE)による血流減量処置が有用である。
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