特集 産婦人科医が担うべき産道裂傷の包括的ケア―女性のQOLを守るために
産道裂傷の解剖・診断・治療・予防
1.産道裂傷の解剖学
嘉村 康邦
1
Y. Yoshimura
1
1千葉メディカルセンター女性泌尿器科(部長)
pp.1045-1051
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003563
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産道裂傷の修復・予防には,外陰から骨盤底に至る詳細な解剖理解が不可欠である。特に分娩時には外陰,会陰,腟,子宮頸部,骨盤底,肛門括約筋など多層構造で損傷が生じうるため,形態と機能の両面から正確な理解が求められる。会陰体や肛門括約筋,骨盤底筋群の損傷は失禁や骨盤臓器脱の原因となる。分娩時肛門括約筋損傷(OASIS)では,外肛門括約筋と内肛門括約筋の同定・層別縫合が便禁制回復に必須である。正確な構造把握と修復が女性のQOL維持に重要である。

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