今月の臨床 Obstetrics is a bloody business
分娩時出血の診断・治療のポイント
3.産道損傷 ②頸管裂傷
柳原 敏宏
1
1香川医科大学母子科学講座周産期学
pp.700-703
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904357
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概念
分娩時における子宮頸管の損傷で,児および付属物娩出直後,子宮収縮が良好であるにもかかわらず,新鮮な血液が多量に流出し,発見される.
正常例では分娩時子宮頸管は薄く,軟化し展退して約10cmに開大する.ここを児頭と胎児が頸管を損傷することなく通過する.これに対して,頸管強靭,頸管全開大前の急産などが発症原因となる.軽症の場合治療不要であるが,最重症型では,頸管を縦走し子宮下節や子宮体部にまで裂傷が到達し,一種の子宮破裂となり,急激な大量出血をきたす場合もあり,可及的迅速な診断と治療を必要とする疾患である.
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