今月の臨床 産科大出血に慌てない!!
知っておくべき疾患別対処法
産道損傷─頸管裂傷と腟壁血腫
杉本 充弘
1,2
1東都文京病院
2日本赤十字社医療センター
pp.308-315
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208636
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●頸管裂傷への対応では,頸管裂傷縫合セットの常備,術野の確保,最深部断裂血管の確実な縫合,さらに,裂傷が腟円蓋に及ぶ場合は子宮破裂を見逃さないことが重要である.
●分娩後に腟・会陰,肛門周囲の激しい疼痛がある場合は,血腫を疑い,造影CT検査を行う.腟壁血腫の出血部位同定や止血が難しい場合は,ドレーン留置,ガーゼ圧迫止血処置を行う.
●後腹膜腔に血液浸潤が及ぶ場合は,動脈塞栓術(TAE)による血流減量処置,または,開腹による血流減量処置と腟傍結合組織ガーゼ充填圧迫止血処置が有用である.
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