特集 産婦人科医が担うべき産道裂傷の包括的ケア―女性のQOLを守るために
女性の健康やQOLにかかわる長期的視点
1.産道裂傷が女性の健康に与える影響
吉田 美香子
1
M. Yoshida
1
1東北大学大学院ウィメンズヘルス・助産学分野
pp.1083-1087
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003569
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経腟分娩時の産道裂傷は,会陰部周辺の疼痛,性交痛などの性生活の問題,排便障害を引き起こし,分娩直後から長期的に,女性のメンタルヘルスやQOLに影響を与える。このような症状を抱える女性の多くは治療やケアを求めているものの,羞恥心といった心理的ハードルから自ら医療者に相談できずにいる。産後数年が経っても症状が続いている場合,分娩直後からそのような症状に悩んでいることが多いことから,周産期医療にかかわる産科医や助産師が,分娩時に「自然軽快する」と産道裂傷を軽視せず,率先して症状の把握に努め,困りごとへの相談やアドバイスの提供を行っていく必要がある。

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