特集 産婦人科医が担うべき産道裂傷の包括的ケア―女性のQOLを守るために
女性の健康やQOLにかかわる長期的視点
5.産道裂傷と骨盤底リハビリテーション
重田 美和
1
M. Shigeta
1
1昭和医科大学横浜市北部病院女性骨盤底センター
pp.1113-1121
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003575
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
理学療法士は産科的リスク管理のもと,機能解剖学や運動学,身体力学的視点から問題を分析して身体機能のマイナートラブル(心身の不快症状)や生活支援に介入できる。会陰裂傷によって惹起される障害や不快な症状は,決して分娩時の一時的な問題ではなく,女性の生涯の生活の質を左右するといっても過言ではない。骨盤底リハビリテーションは排尿・排便障害や骨盤底障害,慢性疼痛に対して有効であることが明らかになっているにもかかわらず,わが国では標準化されていないのが現状である。本稿では,産道裂傷と骨盤底リハビリテーションについて,エビデンスや先行研究に基づき理学療法士が貢献できることを概説する。分娩を契機に困却する女性を1人でも減らすことができるよう願って。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.

