特集 専攻医のうちにマスターしたい産婦人科の外来・短期滞在手術
産科
3.子宮内反症整復術
永山 志穂
1
,
高橋 宏典
1
S. Nagayama
1
,
H. Takahashi
1
1自治医科大学産婦人科
pp.359-363
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002107
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子宮内反症は胎盤娩出後に子宮底部が子宮内腔に入り込むことに伴い,強烈な痛みを惹起し,大量出血する疾患である。適切な診断と治療を行わなければ母体死亡につながる可能性がある。治療に関しては全身状態を安定させながら,疼痛緩和と子宮弛緩とを行う。第一選択は,経腟的な非観血的徒手整復であるが,疼痛のため整復が困難であることが多く,この場合,麻酔下で行う。非観血的整復が困難な場合は,観血的な外科的介入が必要である。整復後に子宮内反が再発することもあり,子宮収縮薬の投与はもとより,子宮内反予防処置を検討してもよいかもしれない。子宮内反症への介入は急いで行うべきで,冷静に対応するために,日頃からシミュレーションを行うことが大切である。
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