特集 排卵誘発のすべてⅡ ART編
6.卵巣刺激法の国際比較とその成績
黒田 恵司
1
K. Kuroda
1
1杉山産婦人科新宿 難治性不妊症診療部長,順天堂大学産婦人科講座非常勤講師
pp.1579-1585
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001989
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日本は患者自身の卵子を用いた単一胚移植で妊娠成績を向上させるために,卵巣刺激法が多様化してきた。アメリカやイギリスが低~高卵巣刺激法を99%行っている一方,日本は高卵巣刺激法49%,低卵巣刺激法22%,自然周期・経口排卵誘発剤のみ29%と,自然周期が多く選択されている。日本,アメリカ,イギリスの生産率は,胚移植あたりは大きな差はないが,受精卵ごとでは日本が明らかに高い。日本は37歳以下だと5~6個受精卵があれば生産率80%を超えるが,アメリカやイギリスは35歳未満でも8~9個は必要になる。単一胚移植が主流な日本は37歳以下で卵巣予備能が十分にあれば,低卵巣刺激法も選択肢に入れてもよいが,自然周期が多いことが今後の課題である。
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