特集 図解 分子メカニズムから理解する婦人科がんの薬物療法
【各論】
Ⅲ 子宮体部悪性腫瘍
2.子宮体癌の妊孕性温存療法
竹原 和宏
1
K. Takehara
1
1独立行政法人国立病院機構四国がんセンター婦人科(手術部長)
pp.1507-1513
発行日 2021年11月30日
Published Date 2021/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001971
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
子宮体癌は先進国における婦人科がんで最も一般的な悪性腫瘍である。最近の日本の子宮体癌罹患率は増加傾向にあり,2017年には16,724人の女性が子宮体癌と診断されている。好発年齢は55~59歳であるが,生殖年齢の女性でも発症する可能性があり,2015年の30歳台の罹患者数は対人口10万人あたり7.51人であった1)。再発リスクが低いと想定される早期の子宮体癌に対する妊孕性温存療法は,腫瘍学的にも生殖学的にも良好な結果が得られることが明らかになってきており,出産を遅らせる女性が増え子宮体癌の発生率が高まるなか,安全で有効な治療法の確立は重要である。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.