今月の臨床 子宮体癌診療の動向─これだけは知っておきたい
子宮体癌の診断と治療
8.子宮体癌の妊孕性温存療法
牛嶋 公生
1
1久留米大学医学部産婦人科
pp.1669-1671
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102528
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はじめに
近年の女性のライフスタイルの変化は,晩婚化に伴う出生率の減少,出産年齢の高齢化をもたらした.一方,悪性腫瘍の罹患数は増加の一途をたどっており若年者の罹患数も増加している.若年者の悪性腫瘍では妊孕性の温存は治療法決定の際の重要なファクターとなるが,原発臓器が直接妊孕性の舞台である子宮体癌では,外科的切除による妊孕性温存治療は不可能である.一方,子宮体癌の大部分を占める類内膜腺癌はエストロゲン依存性であり,プロゲステロンによるホルモン療法が奏効する場合がある.この内分泌療法は進行再発例のみならず,若年子宮体癌症例にも以前より試みられてきたが,対象となる患者数の増加に伴いその重要性が増している.
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