特集 エキスパートの内視鏡手術―コツとピットフォールⅡ
2.子宮内膜症性囊胞:腹腔鏡下囊胞摘出術
堤 治
1
,
田中 佑佳
1
,
野間 桃
1
,
久須 美真紀
1
,
村井 正俊
2
,
堤 亮
3
O. Tsutsumi
1
,
Y. Tanaka
1
,
M. Noma
1
,
M. Kusumi
1
,
M. Murai
2
,
R. Tsutsumi
3
1山王病院リプダクション・婦人科内視鏡治療センター
2岩手医科大学産科婦人科
3杉山産婦人科丸の内
pp.363-368
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000394
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子宮内膜症性囊胞は疼痛や不妊を主訴とし,腹腔鏡下囊胞摘出術の適応となる。最近,抗ミュラー管ホルモン(AMH)などを指標とした検討で術後の卵巣予備能の低下が危惧されている。卵巣実質への侵襲を最小限に留め,囊胞壁を摘出するには,実質と囊胞壁の境界を明瞭にし,適切なパワーソースを使用することがコツであり,不用意な出血は盲目的な止血操作を必要とし,特にバイポーラーの多用は卵巣機能低下というピットフォールに陥りかねない。子宮内膜症そのものが卵巣予備能を低下させ,手技の工夫によりむしろ卵巣予備能は改善しうるという観点から当センターで実施している囊胞摘出術を具体的に提示する。
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