特集 内膜を極めるⅠ―内膜の機能と着床をめぐる最近の話題―
7.子宮内膜の幹細胞と再生医学
丸山 哲夫
1
T. Maruyama
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1069-1074
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001420
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ヒト子宮内膜は,生殖期間を通じて月経周期ごとに組織再生を反復する。そのユニークな組織特性から,以前より特有の組織幹細胞システムの存在が示唆されてきた。近年,子宮内膜幹細胞の存在が証明され,その挙動や機能も様々なアプローチにより明らかになってきた。今後,幹細胞の観点から,子宮内膜の生理メカニズムや子宮内膜症などの子宮内膜関連疾患の病態メカニズムが解明されていくことが期待される。また,一連の子宮内膜幹細胞に関する研究と連動して,子宮内膜の再生医学・再生医療への応用も始まっている。本稿では,子宮内膜の幹細胞研究の現状と再生医学・医療への応用について概説する。
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