特集 内膜を極めるⅠ―内膜の機能と着床をめぐる最近の話題―
9.ERP子宮内膜再生増殖法
宮﨑 薫
1
,
原 利夫
2
K. Miyazaki
1
,
T. Hara
2
1はらメディカルクリニック 院長
2はらメディカルクリニック 前院長(2020年4月19日死去)
pp.1081-1085
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001422
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子宮内環境は胚移植の成功率を大きく左右する。幹細胞馴化培地を子宮内に投与し子宮内膜の遺伝子発現を調整することで,胚着床・妊娠継続に最適な子宮内環境を作成できると考えた。月経血幹細胞(MenSC-CM)および臍帯間葉系幹細胞馴化培地(UC-MSC-CM)に着目し,サイトカインアレイで解析したところ,両馴化培地ともに種々のサイトカインが豊富に含まれていた。子宮内膜再生増殖法(ERP)として融解胚移植周期中の患者の子宮内にこれらの馴化培地を投与したところ,非投与周期と比較して投与周期の流産率が有意に低下した。MenSC-CMおよびUC-MSC-CMは胚移植の成功率を改善するために有用な治療法と考えられた。
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