特集 着床前診断—現状と近未来の方向性—
各論
11.新しいPGT-A
-—非侵襲性染色体スクリーニング—
水口 雄貴
1
,
佐藤 卓
1,2
,
末岡 浩
3
Y. Mizuguchi
1
,
S. Sato
1,2
,
K. Sueoka
3
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
2医療法人財団荻窪病院 虹クリニック
3慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
pp.879-885
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001366
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着床前遺伝子診断(PGT)は,胚生検という侵襲を伴う処置によって行われている。しかし近年,染色体スクリーニングを中心として生検をしない診断方法が開発され,cell-free DNAの解析によって行われる方法が侵襲性検査に代わろうとしている。胚培養液を用いた着床前染色体異数性診断(PGT-A)は診断の精度,生検からの診断との一致率には報告上幅が存在している。胚培養液は,DNA収率の低さ,母方DNAのコンタミネーションなど課題も多くある。Cell-free DNAから胚全体の遺伝情報を正確に得る技術と方法が確立されるためにも,今後もさらなる研究が必要である。
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