特集 着床前診断—現状と近未来の方向性—
各論
12.遺伝カウンセリングで本当に重要なこと
西垣 昌和
1
M. Nishigaki
1
1国際医療福祉大学大学院遺伝カウンセリング分野
pp.887-891
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001367
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「遺伝カウンセリング」は,着床前診断を含む様々な遺伝学的検査の普及とともに,広く一般臨床の場でも用いられるようになってきた。しかし,その言葉が必ずしも本来の遺伝カウンセリングの意味で用いられているとは限らず,ともすれば遺伝学的検査の1プロセスのように捉えられていることもある。遺伝カウンセリングと着床前診断の関係は,「着床前診断を実施するか否かを決定するための遺伝カウンセリング」と捉えるべきではなく,「染色体数的異常・構造異常,あるいは単一遺伝子疾患といった遺伝現象に適応することを援助する遺伝カウンセリングのプロセスにおける選択肢の1つとして,着床前診断がある」と捉えることが,最も基本となる「重要なこと」である。
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