特集 着床前診断—現状と近未来の方向性—
各論
10.着床前染色体異数性診断(PGT-A)の生殖医療に対する貢献と問題点
加藤 恵一
1
,
青山 直樹
1
,
黒田 知子
1
K. Kato
1
,
N. Aoyama
1
,
T. Kuroda
1
1加藤レディスクリニック
pp.873-877
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001365
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着床前染色体異数性診断(PGT-A)はFISH法および初期胚での診断から,網羅的遺伝子解析および胚盤胞生検へと変遷を遂げてきた。わが国でも習慣流産および反復ART不成功群に対するPGT-Aパイロット試験が臨床研究として施行され,移植あたりの妊娠,出産率の上昇および流産率の低下が示唆された。一方,海外ではその有用性を疑問視する報告も散見される。臨床応用に際しては患者年齢や,胚盤胞発生率,生検が胚に与えるダメージ,モザイクや微小欠失などの網羅的遺伝子解析の診断精度の問題なども加味したさらなる臨床研究が必要であると考えられる。
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