特集 着床前診断—現状と近未来の方向性—
総論
3.遺伝子解析法の変遷
佐藤 卓
1,2
,
水口 雄貴
2
,
末岡 浩
3
S. Sato
1,2
,
Y. Mizuguchi
2
,
K. Sueoka
3
1医療法人財団荻窪病院 虹クリニック
2慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
3同大学医学部臨床遺伝学センター
pp.809-816
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001355
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着床前遺伝子診断(PGT)の技術開発は,特に克服すべき倫理面での問題点の解消に応じる形式で進歩を遂げてきたといえる。単一遺伝子病に対するPGTの技術的問題点のほぼすべてが,検査に利用可能な胚由来のDNA量が稀少であることに原因する。これは,遺伝子増幅技術の進歩と間接的な診断法の併用により,現在では堅牢な診断系の構築に至っている。一方,染色体診断のためのPGTでは,体外受精(IVF)の成績向上を目的とするPGTをめぐり,およそ15年にわたって技術面や研究デザインなどでの改良がなされてきた。現在では次世代シーケンサー(NGS)を用いた解析法が有望視されているが,今なおその有用性を証明するに至っていない。
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