診療
進行子宮頸癌に対する組織内照射の長期予後についての検討
宇野 枢
1
,
岸上 靖幸
1
,
奥田 隆仁
2
,
竹田 健彦
1
,
山田 拓馬
1
,
上野 琢史
1
,
田野 翔
1
,
鈴木 徹平
1
,
森 将
1
,
柴田 崇宏
1
,
稲村 達生
1
,
原田 統子
1
,
小口 秀紀
1
K. Uno
1
,
Y. Kishigami
1
,
T. Okuda
2
,
T. Takeda
1
,
T. Yamada
1
,
T. Ueno
1
,
S. Tano
1
,
T. Suzuki
1
,
S. Mori
1
,
T. Shibata
1
,
T. Inamura
1
,
T. Harata
1
,
H. Oguchi
1
1トヨタ記念病院産婦人科
2同 病院放射線科
pp.285-294
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001218
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同時化学放射線療法(CCRT)は,局所進行子宮頸癌の標準治療の1つである。腔内照射での線量分布が不十分な場合は,原発巣の局所制御が困難となり,予後は極めて不良である。組織内照射は,腫瘍のサイズに合わせて柔軟に照射野を設定できる利点がある。初回治療として組織内照射併用CCRTを実施し,4年以上経過した症例について後方視的に検討した。対象は5例で,全例がⅢB期以上,最大腫瘍径5cm以上であった。1例は照射後の再発はなく,4例が再発した。そのうち1例は遠隔転移であり,局所再発は認めなかった。1例が照射野内の側方再発であり,残りの2例は子宮頸部の中央再発であった。局所再発した3例で手術を施行した。側方再発と遠隔転移をきたした症例以外の3例は無病生存中である。組織内照射は,従来の腔内照射では制御困難であった子宮傍組織への伸展が強く,腫瘍径が大きい腫瘍に有効な治療方法になりうると考えられた。
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