臨床経験
子宮頸癌ⅡB期(旧FOGO分類)の予後検討
石川 光也
1
M. Ishikawa
1
1国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科(科長)
pp.431-436
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003371
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わが国では子宮頸癌ⅡB期(FIGO2008)に対して放射線療法と手術の2通りの治療法が行われているが,この比較はわが国でしか実現しない。今回ⅡB期117例を対象に後方視的観察研究にて予後の検証と治療法の比較を行った。扁平上皮癌95例,腺癌22例,手術60例,放射線療法57例であった。全体の5年無病生存(DFS)63.3%,5年全生存(OS)86.0%であった。腺癌は主に手術が行われていたが予後不良であった。扁平上皮癌では,手術の難易度が高くなると放射線療法が選択される傾向にあった。治療前因子で調整を行い治療法を比較したが予後に差は認めず,手術可能な場合は治療法で予後に差は生じないと思われた。しかし治療関連有害事象の検討は行っておらず,治療法の比較には有害事象も加味したさらなる検討が必要である。

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