原著
子宮頸癌におけるLymphography所見と予後
高橋 秀身
1
,
佐藤 仁
1
,
片桐 清一
1
,
高野 敦
1
Hidemi Takahashi
1
1弘前大学医学部産婦人科学教室
pp.193-196
発行日 1984年3月10日
Published Date 1984/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206956
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子宮頸癌においても,そのリンパ節転移が予後を大きく左右することは周知の事実であるが,転移の診断法のひとつにKinmonth1)(1955)が開発したdirect lym—phography (以下,たんにLGと略す)がある。しかし頸癌におけるLGは,転移所見のcriteria設定に難しい点があったり,転移頻度の高い閉鎖節などが造影され難いことなどから,当初期待されたほどには行われなくなっているようである。近年はむしろ,CT-scanやRI—studyなどが広く導入されつつあるが,これらとても小さな転移巣の検出にはいまだ限界があるといわざるを得ない。したがってpelvic LGもいまだ数少ないアプローチ手段のひとつとして検討されるべきであろう。しかも,進行頸癌の予後がこのところ大きく改善されないことの理由のひとつとして,その30〜40%(36%:Lepantoet al.2),1975)に旁大動脈リンパ節転移が認められるためではないかとも考えられ,この点も検討してみた。
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