特集 産婦人科にかかわる医用技術の新たな進歩Ⅱ
Ⅱ.妊娠・分娩管理における新技術
4.人工羊水注入療法
小口 秀紀
1
,
田野 翔
1,2
,
加藤 幹也
1
,
岸上 靖幸
1
H. Oguchi
1
,
S. Tano
1,2
,
M. Kato
1
,
Y. Kishigami
1
1トヨタ記念病院周産期母子医療センター産科
2名古屋大学医学系研究科産婦人科学
pp.141-147
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003298
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
分娩中の人工羊水注入療法は,緊急帝王切開を回避する効果があるが,わが国ではまだ一般的でない。当院では,非適時破水,羊水過少,胎児機能不全,羊水混濁のいずれかを認め緊急帝王切開の可能性が高い症例に対し施行している。当院での人工羊水注入療法の具体的な方法を,症例を交えて解説する。また,人工羊水注入療法は,羊水混濁における児の胎便吸引症候群の予防,羊水過少を伴う胎児発育不全における胎児well-beingの改善,微弱陣痛の改善にも有効な可能性があり,さらなる症例の蓄積が必要である。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.