特集 子宮頸がん予防—日本はどうする?—
4.子宮頸がん検診 対策型検診へのHPV検査の導入の考え方
-—世界と日本の現状—
齊藤 英子
1
,
森定 徹
2
,
雑賀 公美子
3
,
青木 大輔
2
E. Saito
1
,
T. Morisada
2
,
K. Saika
3
,
D. Aoki
2
1国際医療福祉大学三田病院予防医学センター
2慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
3国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター
pp.219-224
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001206
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子宮頸がん検診には,社会的・経済的リソースが乏しい場合に確定診断を行わず治療に直結させる形と,検診検査陽性例に精密検査,確定診断,フォローアップを行い,多くのリソースを必要とする形とがある。後者の形でのHPV検査を含むプログラムの有効性が,欧州のメタ・アナリシスで示された。これに用いられた研究はいずれも良好に精度管理されていた一方,わが国では良好ではない。わが国では,HPV検査と細胞診の同時併用による検診の有効性や実施した場合の課題について,厚生労働省の指示にて研究が開始され進行中である。WHOからの検診プログラム選択の提言や,欧州や上記のわが国の研究を紹介し,リソースの有無や精度管理の充足度を複合的にみたHPV検査導入の考え方を示す。
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