総説
子癇発症の高血圧重度は非妊高血圧脳症(高血圧緊急症)より低い
-―その背景を妊娠による脳動脈血管壁の変化から探る―
日高 敦夫
1,2
,
中本 收
3
A. Hidaka
1,2
,
O. Nakamoto
3
1阪和第一泉北病院(顧問)
2元・大阪市立総合医療センター(副院長)
3大阪市立総合医療センター産科
pp.1771-1778
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000703
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子癇を招く高血圧重度は非妊高血圧脳症をもたらす高血圧より低い。その背景に,胎盤乏血が招く脳血管内皮細胞障害の可能性や,妊娠によるPPARγ活性が脳細動脈血管壁をoutward hypoplasticに再構築し,さらに毛細血管密度を高め,正常圧でも脳細動脈血管壁はストレスのかかった状態となる。高血圧合併妊娠では,非妊時高血圧持続に伴う脳血管壁〔inward hypertrophic remodeling〕が妊娠により解かれ,加重型preeclampsiaは脳血管性浮腫を招きやすい。その背景に,妊娠によるPPARγ活性化とA-Ⅱに対する血管反応性低下が関与している。
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