今月の主題 高血圧の治療—新しい時代を迎えて
合併症を伴う高血圧—個別治療の実際
高血圧緊急症
高橋 伯夫
1
1関西医科大学病態検査学
pp.699-702
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904463
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ポイント
●高血圧が直接生命に危機をもたらす病態が高血圧緊急症であり,速やかな治療,すなわち降圧をはかることが必要である.
●現在,本態性高血圧の治療分野では,緩徐で血圧変動の少ない,T/P比の高い薬剤による治療が推奨されているが,緊急症は治療に急を要する病態であり,直ちに降圧効果を示す薬剤で,主に非経口的に持続的に投与することで一定の降圧を維持する.
●脳浮腫を伴う症例で,分の単位での対処の違いが生死を分かつ例もある.
●高血圧緊急症では,一般に主要な臓器の血管障害から機能障害を伴っているために,過度の降圧はむしろ臓器障害機能を低下させることがあり,治療目標血圧は高いレベルに設定し,急速に一定のレベルまで下げたあとは徐々に目標を下げることが必要である.
●治療により予後が著明に改善する病態であるので,積極的に治療すべきである.
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